PLAYZONE note

少年隊 Playzone(1986-2008)

【07】PLAYZONE '92 さらばDiary

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Playzone '92「さらばDiary」

上演) 上演期間1992年は1992年7月11日〜8月2日(青山劇場)、8月12日〜16日(フェスティバルホール)。計39公演。

 

 

〔第一幕〕

Overture〜さらばDiary〜(作・編曲:ボブ佐久間

夢は永遠に (作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(錦織、東山+植草)

アポカリプス・ダンス(作・編曲:小川文明

〜50s Medley〜

TWIST AND SHOUT(Phil Medley, Bert Berns )(東山)(original:the Top Notes)

PEPPERMINT TWIST(Joey Dee, Henry Glover(錦織)(original:Joey Dee and the Starliters)

SMOKE GETS IN YOUR EYES(Jerome Kern, Otto Harbach)(植草)(original: musical"Roberta")

DO YOU WANNA DANCE (Bobby Freeman)(original: Bobby Freeman)

 

レプリカント・ダンス(作・編曲:小堀ひとみ

こわれた人間の踊り (作・編曲:ボブ佐久間)

嘆きの歌声 (作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(植草、錦織)

未来パフォーマンス (作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)

 

〔第二幕〕

明日への階段(作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(東山、植草)

明日への階段(BGM)(作・編曲:ボブ佐久間)

Before Fight(作詞:久和カノン、作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU(東山)

VACATIONFrancis, Gary Weston, and Hank Hunter(MIKI)

Replicant Dance(作詞:相田 毅、作・編曲:岩田雅之(錦織)

夢は永遠に〜戦いが終わったら〜 (作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)

戦い(作・編曲:ボブ佐久間)

静かな歌声(作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(東山、植草)

受け継がれし出来事(作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(錦織)

かがやきを忘れない(作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(東山)

 

〔カーテンコール Part I〕

未来へ向かって(作詞:森 浩美、作・編曲:ボブ佐久間)(東山、植草)

 

〔カーテンコール Part II〕(編曲はすべてCHOKKAKU)

バラードのように眠れ

デカメロン伝説

Stripe Blue

Dancing In The Street (Marvin Gaye, William "Mickey" Stevenson and Ivy Jo Hunter)(錦織)(Original:Martha and the Vandellas)

You Really Got Me  (Ray Davies)(錦織)(Original:The Kinks

まいったネ 今夜

ふたり

君だけに

 

 

ストーリー)

20XX年
コントロール不能になった「首都警備局」無人警備機モスキートによる無差別攻撃をうけ、首都は廃墟と化している。「政府」はそれを反政府ゲリラ「ブラック・クロス」による無線操作のせいだとしていたが、「警備局」側はコンピュータ自身の反乱だと考えていた。つまり、原因不明だった。
廃墟の中、二人の兵士(東山、植草)が生体反応装置を使って、一人で彷徨う老人(錦織)を発見する。老人は廃墟の中に「アポカリプス」という劇場が見えているらしく、その中に仲間たちが居る、と言って立ち去ってしまう。後には一冊の日記が残され、それを兵士の一人(植草)が拾う。
老人の青春の日々
彼はケンという名前で、若い頃、「アポカリプス」というダンスカンパニーの中心メンバーの一人であった。カンパニーの5回目の創立日を祝うショウ(東山)、ジュン(植草)、そしてケン(錦織)と他の仲間達。ショウが記念の挨拶をし、いつも通り、明日の公演の後、カンパニーはいったん解散し、また翌年、再結集することを伝える。皆が盛り上がる中、ケンが、明日は来られない、と告げる。夢である自分達自身の劇場建設のため、父親の会社で2年間働き、資金を貯めるのだと言う。その会社ではレプリカントを作ると知ってショウは激怒。生身の人間に強くこだわる彼は、人間の厭う仕事を人間の形をした機械にやらせるという発想も受け入れられなかった。一方、ジュンはケンのことを信じようとするが、ケン自身も浮かない顔をしたまま去って行く。
しかし2年間、ケンはやみくもに働き、劇場建設の資金を作った。またアポカリプスの創立記念日、ジュンの妹、エリの働くバーに集まったショウとジュンが約束通りケンを待っていると、店に入ってきた怪しい客にエリが殺されてしまう。その客は人間に恨みを持つレプリカントだった。遅れて現れたケンも、この事件を知りショックを受ける。
20XX年
これまでの物語は、老人の日記に書かれていたものだった。日記を拾った兵士(植草)がそれを読んでいるとき、爆撃にあい、負傷してしまう。
老人の回想
もはや踊り続けている場合ではなかった。いつのまにか世間ではレプリカントによる殺人が横行していたが、公安局に何度届け出てもろくに取りあってもらえない。彼らは武器を取り、レプリカントたちと戦うことを決める。自分の工場のレプリカントの犯行ではないとはいえ、責任を感じたケンは、自分の工場を破壊し、その戦いに加わりたいと申し出て、ようやく3人の絆が復活する。
しかし激しいゲリラ戦の末、ショウとジュンは命を落とす…。
20XX年
彷徨う老人は力尽き、息絶える。
傷を負いながらも老人を探す兵士(植草)は、日記の最後の部分を読む。「人間は小さくて、脆い。この広い宇宙の中で風に舞う目に見えぬ塵のようなものだ。だが、時にはその塵が輝き、強い光を放つのだ」という言葉は、戦いばかりの無為な日々を生きてきた兵士の生をも肯定するようで、彼の胸に強く響いた。瓦礫の中で命の果てた老人を見つけ出した彼は、老人に日記の礼を伝え、傍らで息絶える。残されたもう一人の兵士(東山)は廃墟の中、メリーゴーランドを見る。
 

 

 

映像作品)

VHS/LD『PLAYZONE'92 さらばDiary』(1992年10月07日/1997年11月22日に廉価版VHS再発)収録時間: 2時間13分

DVD『少年隊 35th Anniversary PLAYZONE BOX 1986-2008』(2020年12月12日)収録時間:2時間13分

 

キャスト)   

少年隊:錦織一清(ケン)
    東山紀之(ショウ)
    植草克秀(ジュン)

 

TOKIO:城島 茂
    山口達也
    国分太一
    小島 啓
    松岡昌宏
    長瀬智也


ジュニア:坂本昌行
     井ノ原快彦
     金沢将種
     長野 博
     国分 博
     大蔦 忍
     山本隆文
     十倉太一
     伊東正美
     喜多見英明
     小原裕貴

 

松山康志郎
三浦勇矢
MIKI CONWAY
大平勝久
神鷹 脩

河野由美
松岡身枝
駒形世伊子
宮崎ひとみ
島田典子
小日向鏡子
佐藤尚
板倉りさ

 

スタッフ)

監修:ジャニー喜多川

脚本・演出:宮島春彦

原作:関 顕嗣、丸田芳介

音楽:ボブ佐久間

美術:和田平介

照明:勝柴次朗

振付:前田清実

音響:今村太志

衣装:八彩たま子

アクション指導:國井正廣

脚色:北爪 努

舞台監督:小高則明

音楽製作:ジャニーズ出版 鎌田俊哉/パセリクラブ 林 健/クロール 川口憲一

振付助手:青木美保

照明操作:ステージファクトリー

特殊照明:バリライトアジア

音響操作:サウンドクラフト

大道具製作:俳優座劇場

衣装部:キマイラ企画

電飾:テルミック

小道具:東宝舞台小道具

特殊小道具:クリプトニウム

特殊効果:エフェクトジャパン

レーザー:レイ

衣装製作:東京衣装/東宝舞台/アトリエHINODE

特殊メイク・かつら:スタジオAD

かぶりもの:アトリエ トシ

演出部;クリエイト大阪

メリーゴーランド:Mプロジェクト

制作補:スペースコア 山田 修、杉山祥弘

制作:ジャニーズ事務所 大和 剛

 

企画:安倍 寧

協力:こどもの城

協力:こどもの城 青山劇場・東京、フェスティバルホール・大阪

 

 

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(今回、長~い蛇足文章を以下、書いてしまいますが、もういま、映像でしか見られないこの作品を、より面白く見るためのガイドになれば本望です。)

 

7年目のPlayzoneは、ハードな雰囲気にガラリとチェンジ。2年続けて「ジャニーさん作・少年隊本人役」だったので、変化を狙ったのか、色々と変わった点があり、まずは振付が名倉加代子先生から、その弟子の前田清実さんに。アメリカ(ブロードウェイミュージカル)というよりは、ヨーロッパ的(バレエ)な印象に。

舞台は上手・下手ではなく、(専門用語が分からないのだけれど)前後?を軸にして使用されていて、みんなオケピットと思われる正面部分から入退場するのが面白い。

そして前年からバックにいたTOKIOに加え、まだジュニア時代のV6の面々も初登場。

今回はメインキャラがニッキで、老人役を熱演しているのだけれど、「さらばニッキ」と、笑いを取るでもなく(たぶん…)、シリアスなムードで進むので、最後のショー部分とのギャップが大きい。これはこれでバランス的に必要だったとも言えるだろうし、逆に蛇足だと感じた人もいたのかも。「West Side Story」の時はショーがなかったようだけど、ニッキはインタビューで、本来はミュージカル本編だけでお客さんを満足させたい(させなければならない)みたいなことも言っていた。(ただ、いまもう家でDVDで見る分には全然付いててくれてありがたいし、ニッキのゴールデンぱつぱつパンツもフレディー・マーキュリーかよ!とつっこめて楽しい。)

 

1年前のPlayzoneから少年隊史を見ておくと、それぞれ個人活動が充実しつつ、春には少年隊としてのコンサートツアーも行い(秋にはビデオで発売)、5月は日生劇場東宝ミュージカルとして「MASK」の再演。そして7月からPlayzone「さらばDiary」と、活動密度、相変わらず大変濃い!!惜しいのは、レコード会社移籍のせいなのか、ずっとCDの発売が途絶えており、サントラが出ていないこと…
もったいない…!!本作も「Shock」から引き続き、メイン作曲家がボブ佐久間さん。その楽曲の良さが作品の良さと直結しているように思えるので…。

今回、ボブさんのことが気になってちょっと検索してみたところ、うちの父の高校の先輩だと判明。父にボブさんのことを聞いてみたら、当然のように家まで知っていたし、ショスタコーヴィチのLPを借りパクされたままらしく、想い出はどんどん出てきそうだった。ボブさんはヴァイオリン専攻で、ものすごく上手かったらしく、大学に進学せずに、直接オーケストラ(東京交響楽団)に入団したものの、その後ポップスの方向に進み、1995年には名古屋市交響楽団の別オケである、名古屋フィルハーモニー・ポップスオーケストラ音楽監督・常任指揮者に就任。その年のサマーコンサートでは、ゲストボーカルに呼ばれたニッキが3曲ほど歌っていたようです。

参照)「かりん」さんの→BLOG  →Twitter

 

 

さて本編。

廃墟都市を彷徨う老人…?いや、ニッキだ!

特殊メイクに声色も上手に変えていて、ほんとに誰??となる。

(ただ老人だからと言って一人称が「ワシ」なのはどうかな…笑。若い頃のシーンでは「オレ」って言ってるのに!人間、年取ったら急に演歌が好きになる、みたいなステレオタイプ化…)

 

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「1」という数字をポーズをキメながらみんなに伝えるテンション高いショウ(ヒガシ)。

 

ダンスカンパニー「アポカリプス」の5周年の日、ヒガシ演じる「ショウ」がこれまでの歴史を振り返る。自分達の劇場はこの5年間、「メリーゴーランドから眺める景色のように移りゆく景色の中で輝いてきた」と述べる。この時比喩で用いられた「メリーゴーランド」は最後のシーンに実際に登場するのだけれど、当時のファンクラブ会報(No.45)によるとヒガシのアイデアだったらしい。

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ただし、今回の脚本・演出を手がけた宮島春彦さんのことを検索すると、昨年閉園した「としまえん」の、あの立派なメリーゴーランドを舞台にした野外ミュージカル「まわれエルドラド」を手がけていた人だと判明。1982年から3年間、毎夏上演されたこのミュージカルにはSKDのメンバーが多く出演していたらしく、映像も残っていた。

まわれエルドラド!shoen1982

これを見ると、ヒガシのアイデアが採択された背景に納得。

 

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ダンスカンパニー「アポカリプス」に集まった面々は、楽しく明るい1950年代のロックンロールやダンスナンバーを歌い、踊る。

 

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このとき、ニッキがダンスの相手として等身大?の人形を振り回しており、その非道な扱いが笑いを誘うのだけれど、この後のレプリカントの登場を思うシュールだし、50年代の古き良きアメリカが背後と未来に抱えていた闇を思うと、なかなか意味のある演出だったようにも思えてくる。

 

 

ショウのスピーチでは、「アポカリプス」の名前の由来が語られる。それは彼らの公演形態とも関わっている。彼らは年に一度、公演を行う度に解散し、また翌年、参加希望者だけが集まって再結成という「絶えざる再生」で生き残ってきたのだと言う。ショウは、「アポカリプス」とは「世界の終末に神が語りかける言葉」であり、終わりと始まりの意味が込められていると説明する。

 

「アポカリプス」、すなわち「黙示録」とは、新約聖書の最後に配置された「ヨハネによる黙示録」と呼ばれる聖典のこと。著者のヨハネがパトモス島で体験した幻視体験を記したもので、小アジア地区にあった7つの教会それぞれに宛てた手紙、という形式をとっており、「世界の終わり」を予言する終末思想の原点。「7」という数字が頻出する(7人の天使、7つのラッパ、7つの封印、etc...)、神秘的で謎めいた書物であり、数えきれないほど多くの美術作品、小説、そして映画のモチーフになってきた。

 

”Apocalypse”という言葉は、古代ギリシャ語の「アポカリュプシス(Ἀποκάλυψις)」に由来。本来の意味は「(秘密の)ヴェールがはがれること」、すなわち「啓示」、何かが暴き出され、目に見えるようになること。どうしても日本語(中国語でも同じ字を使う)の「黙示」の字義の方に引っ張られてしまうのだけれど、黙って示す、とはつまり、「言葉」ではない、ということだと思われる。目に見えるようにするということは、音声や文字で意味を示すのではなく、ビジュアルとして現前させることで、一目瞭然に相手に「何か」を伝えるということ。

実際、ショウ(東山)も件のスピーチで、

「オレたちが踊るとき、言葉にならないものがオレたちの肉体を通して現れるはず。しかも踊り終わった時、それは残らない。文字とは違って、残らない。幻のように消えてしまう。」

と語っていた。

ショウは非文字、肉体による刹那の「表象」を重要視しており、ダンスに関しても、一作品一度きりの公演ということにこだわっていた。

この姿勢はケン(錦織)と対照的で、彼の方はもっと公演回数を増やすべきだと主張していたし、さらに文字による記録、後世にそれを伝える「日記」を大事にしていた。老人ケンの日記の最後にはこう書かれていた。

「ワシが死ねばワシの記憶は消えてしまう。すべてが無になる。心ある人よ、もしこの日記が目に触れたら読んでほしい。そして時には思い出してほしい。遠い昔の3人の若者たちの物語を。」

  

そんな対照的な二人の間に立つのがジュン(植草)。

劇場建設の資金を貯めるためにいったんカンパニーを離れるというケンの言葉を信じようとするジュン。

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ところで「レプリカント」とは?

人間にそっくり、見分けのつかない人工知能を備えた「人造人間」「ロボット」というSFの定番モチーフ。この「さらばDiary」の前年、映画『ターミネーター2』が公開されていたので、その影響が大きかったかもしれないけれど、「レプリカント」という語を世に定着させたのは、SF映画不朽の名作、1982年の『ブレードランナー』。この映画の中では、レプリカントと人間を見分けるために「感情移入テスト」という面接試験が行われていたけれど、「さらばDiary」の中でもニッキが工場でレプリカントに「感情反応システムチェック」というテストを行っているシーンがある。

 

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ケンの工場のレプリカント、防護服にヘッドギア的な頭部が不気味。
機械的」な音楽に合わせて「機械的」に動く。

 

 

レプリカントには人間的な感情はない」、だから「苦役を担わせてもよい」、しかし予定外に「レプリカントにも感情が芽生えてしまう」、だから人間が彼らを「破壊」しないといけない…。こうした設定も『ブレードランナー』と共通している。また、主人公の回想というフィルムノワールに定番の形式も共通。

 

www.youtube.com

 

この『ブレードランナー』がそもそも下敷きとしている映画、1926年のドイツ映画『メトロポリス』や、カレル・チャペック1920年チェコの戯曲『ロボット(R.U.R)』などにしても、問題になるのは「労働」。ロボットという語はそもそもチェコ語の「robota(賦役)」という語から、カレルと兄のヨゼフが作った新語。  

 この「レプリカント」、「労働」というテーマは、衣装にも反映されいていると思われる。第一部のラスト、「未来パフォーマンス」という曲で踊るダンサーたちの黒と白の衣装は、黒と白の平面的なデザインで、20世紀初頭に生まれたロシア構造主義未来派、さらにバウハウスの舞台衣装を髣髴とさせる。さらに踊りの振り付けも機械的というか、非感情的。また彼らの前で白い布を操る白い衣装のニッキの踊りは、「サーペンタイン・ダンス」など、20世紀転換期のモダンダンスが連想される。かっちゃんとヒガシも白と黒の衣装でソロダンスを披露。その後、白黒だけだった群舞の数名が赤い帽子を被っているのに気づくと、3人が赤と黒の衣装で登場。と、全体的に階級闘争と革命、政治が芸術と結びついていた時代の意匠が取り込まれているように思われる。

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第二部、限定版BESTにも収録されたヒガシソロの「Before Fight」、そしてニッキソロの「Replicant Resistance」という本作最大の見せ場が続く。

とくにニッキが「♪こんな未来 予定外さ」と歌い踊る「Replicant Resistance」は、どこか何かに操られているような気だるさ(lazy)を持った、しかし機械とは逆方向に人間離れしたしなやかさを湛えたダンスで、楽曲の良さも相まって、はっきりいってニッキ史最高のパフォーマンスの1つ。

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この曲の作曲を手がけた岩田雅之氏については、森泉スミレさんが色々書いておられます。→★

 

 

そしてやたら長い見せ場になるのが戦闘シーン。アクション指導に國井正廣さんという大御所が参加しており、迫力あり。とくにヒガシがやたらバク転、バク宙を入れてきて、とても華麗。

 

 

最後、息絶える老人と兵士(かっちゃん)。

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ラスト、ヒガシが見るメリーゴーランドの幻影は、回転せずに、一方向に進んでいく。

そう、時間は戻らない…。

なぜタイトルに「さらば」が入るのか、それをこの閉じない円のメリーゴーランドが示しているように思われる。過去に戻らず、未来にいくらかの希望を感じさせながら。

 

 

と、なかなかひっかかるところが多くて、理解に時間がかかった『さらばDiary』ですが、音楽も世界観もしっかりしているし、あらためて毎年こんな違う新作を続けてきたPlayzone、ほんとすごい…と感心。これ、何作目だっけ?と再度確認したら…

 

!!!

 

だからアポカリプス……!!!
ダンスカンパニー、アポカリプスが消滅したのも、5周年の2年後、つまり7年目だった…!!!
と「7」で腑に落ちたのが今回の私のハイライトでした。

 

 

参考文献:

『映画と黙示録』岡田温司みすず書房、2019年

『黙示録―イメージの源泉 』岡田温司岩波新書、2014年

『「ブレードランナー」論序説(リュミエール叢書 34) 』加藤幹郎筑摩書房、2004年

『ロボット(R.U.R.)』カレル・チャペック千野栄一 訳)、岩波文庫、2004年

『人造人間』ヨゼフ・チャペック(飯島 周 訳)、平凡社、2000年

『聖書 新共同訳 NI44 』 日本聖書協会、1996年

 

 

Youtubeでは現在、ほぼ完全に近い抜粋版が見られます(’97年のトーク付き)。